大手進学予備校と医学部予備校の違いやおすすめを紹介
医学部受験のための予備校には、大きく分けると大手予備校(総合型予備校)と医学部受験に特化した医学部予備校があります。
大手と医学部予備校のどちらがよいのか迷っている受験生が多いことでしょう。
ここでは、大手と医学部予備校の特徴を挙げ、大手の医学部コースが向くタイプと医学部予備校が向くタイプについて具体的に紹介しています。
大手予備校の医学部コースとは?
河合塾や駿台(駿台予備学校)といった長い歴史と豊富な合格実績を誇る大手予備校では、医学部受験専用の校舎を開設しています。
河合塾は麹町校舎(東京)と2020年開校の大阪北キャンパス、2021年開校の名駅校(愛知)があります。
駿台の場合は、市谷校舎(東京)に、2022年11月開校の梅田校舎(大阪)が加わりました。
これら大手の医学部専用校舎の特徴を挙げてみましょう。
用意されているコースから選択する
大手の医学部コースは国公立医学部と私立医学部に区分され、さらに目標大学群に分けられたコースがあり、その中から受験生は自分の志望校に合うコースを選択します。
東大・京大・医学部など最難関の大学受験を目指すコースの場合は、入塾テストを行うところもあります。
成績によってクラス分けされる
コースが決まったらクラス分けテストが実施され、その結果によってクラスが決定されます。
科目ごとに行われるため、得意科目は上位クラスで苦手科目は下位クラスになるという受験生も少なくありません。このクラス分けは一度きりではなく、前期と後期の2度行われます。
クラス授業制
大手は1クラス100人ほどの集団授業で、目標大学の出題形式に対応したテキストを使い、決められたカリキュラムに沿って講義が進められる形式です。
名物講師・人気講師が多い
大手予備校には、参考書を執筆している講師や名物講師、人気講師が多く在籍しています。
有名になるにはそれだけの実力・指導実績が伴うからで、そうした有名講師の授業を受けられるのはメリットが多いと言えます。
ただし、中には癖の強い指導をする有名講師もいるので、相性がよくないとデメリットになる場合も。
学費が比較的安い
大手予備校は集団授業が中心で個別に指導してもらうわけではないので、学費は文系などと比較してもそれほど高くはありません。駿台での浪人生の学費は入会金100,000円+年間授業料765,000~785,000円(2022年度)で、総額100万円前後が相場となっています。
医学部予備校とは?
年々医学部受験は難化し、比較的入りやすいと言われていた私立の医学部も偏差値60以上の学力が要求されるようになりました。
そこで登場したのが医学部受験に特化した医学部予備校で、次のような点が特徴です。
少人数・個別指導が中心
医学部予備校は1クラス10人程度の少人数制と、講師と生徒が1対1の個人指導が中心です。生徒と講師の距離が近いので、相談や質問をしやすいという点が大手予備校にはない特徴です。
カリキュラムも個別に作成される
ほとんどの医学部予備校では、生徒一人ひとりの学力を把握し、志望校の合格ラインも踏まえたうえで個別のカリキュラムを作成しています。
また、医学部受験では必須の面接や小論文対策にも力を入れています。
学習管理が徹底している
クラス担任がいて、各教科の講師陣や教務スタッフと連携して一人ひとりの学習管理を行います。
自習時間でも管理されているのでサボっているひまはありません。中には昼食を提供する予備校もあり、勉強だけに集中することができます。
医学部受験の最新情報を入手しやすい
医学部予備校は医学部受験に精通したプロの講師がそろっていて、卒業生は医大生ばかりですから、医学部受験に関する最新情報が入手しやすいという強みもあります。
志望校を絞ることができないときや志望校に合格するための入試情報を知りたいときなどは的確なアドバイスをしてもらえます。
逆転合格が狙える
医学部予備校は学力を問わず、希望すれば入塾できるところがほとんどです。
入塾した当初は偏差値40台だったのが、オリジナルカリキュラムのもとで個人指導を受けた結果、偏差値が60以上まで伸びて志望校に逆転合格を果たしたという実例は珍しいことではありません。
大手・医学部予備校がおすすめの受験生はどんなタイプ?
大手予備校の医学部コースと医学部予備校の特徴を読み比べてみて、「医学部予備校に入りたい」と思った受験生もいることでしょう。
しかし、どんな人にも医学部予備校が適しているというわけではありません。
ここで大手の医学部コースが向いているタイプと、医学部予備校のほうがおすすめのタイプについて見ていきましょう。
大手予備校の医学部コースがおすすめのタイプ
有名な大手予備校の医学部コースには、全国から優秀な受験生が集まってきます。クラス分けの試験でも最上位クラスに入れる人がほとんど。
質の良い学習習慣が身に付いている人や地頭の良い人が多いといわれることから、大手はもともと勉強好きな人向けと言えるでしょう。
また、大手は集団授業形式のため、授業以外は自習室や自宅で1人で勉強することになります。自己管理能力が求められるので、周囲に流されることなく、自己を律することができるタイプは大手予備校が適しています。
医学部予備校がおすすめのタイプ
医学部予備校は、個別にカリキュラムを作成し、その生徒の進捗状況に合わせて学習計画を変更しながら学力をつけていきます。
自分で学習計画を立てるのが苦手で、計画を立ててもつい誘惑に負けてしまうという自己管理能力が弱いタイプは医学部予備校が向いています。
生徒数が少ない分アットホームな環境で、一人ひとりに目が行き届くことから学習面だけでなく精神面でのケアや生活面でのフォローも行っています。
近くに何でも相談できる人がいないという受験生にとっても医学部予備校が適しています。
なお、個別指導がメインの医学部予備校では、きめ細かい指導・サービスを受けられる分だけ学費が大手より高額になり、年間学費の相場は500万円前後となっています。
まとめ
大手と医学部予備校のシステムの違いを紹介してきましたが、それぞれにメリットとデメリットがあります。
選び方のポイントは、志望校と学習目標を明確にして大手と医学部予備校のどちらが自分に適しているかを見極めることです。
ここでは紹介できませんでしたが、独自の学習メソッドで合格実績を上げている 医学部予備校が多数あります。
どの予備校でもオープンキャンパスや説明会などを開催しているので、できるだけ足を運んで自分に最も合う予備校を見つけるようにしましょう。