医学部予備校の学費・料金・費用相場を解説!
医学部予備校の学費相場とおすすめ専門予備校を紹介

医学部予備校の学費相場とおすすめ専門予備校を紹介

医学部入試が難化するにつれて増えてきた医学部予備校は、大手の予備校に比較すると学費がかなり高額になります。

ここでは、医学部予備校の学費の相場を紹介し、なぜ医学部予備校の学費が高いのか、その理由についても具体的に解説しています。

医学部受験を目指し、大手予備校の医学部コースにすべきか、医学部予備校にすべきか迷っている方はぜひ参考にしてください。

医学部予備校とは

医学部予備校とは
現在は大学進学率が50%を超えていますが、昭和の末期までは男女合わせて約25%(学校基本調査年次統計より)でした。

その頃は医学部を目指す受験生もそれほど多くなかったことから、偏差値50以下でも合格できる私立の医学部もあったのです。

年々進学率が上昇するにつれ、医学部を目指す受験生が増えてきました。

医師を志す生徒は偏差値の高いトップクラスが多いので、結果的に国公立の医学部も私立の医学部も偏差値が高くなり、偏差値60以上でないと合格は難しい時代になりました。

そこで登場したのが医学部受験に特化した医学部予備校、つまり、医学部に合格するために必要な対策を講じてくれる専門予備校です。

医学部予備校は駿台や河合塾といった大手予備校の医学部コースとは学習システムが異なるため、学費の面でも大きな差があります。

まずは医学部予備校に通う際にかかる費用や料金について見ていきましょう。

医学部予備校の学費・料金相場

医学部予備校の学費・料金相場
医学部予備校の学費は、授業形式や授業内容によって異なります。

授業形式には10 人~4人の集団授業と3~1人程度の個別指導があり、集団より個別指導の学費が高額になります。

また、現役高校生と高校卒業生(浪人生)では、浪人生のほうが予備校で学ぶ時間が長いため、現役生より学費が高くなるところがほとんどです。

集団授業
医学部を目指すライバルと切磋琢磨できる集団指導のメリットと、きめ細かいサポートを受けられる個別指導のメリットを取り入れた授業が特徴。
導入している医学部予備校の例:野田クルゼ、メルリックス、メビオ、PMD(九州)、メデュカパスなど
高卒生(浪人生)の学費相場:入学金20万~40万円+授業料300万~700万円
現役生(高3生)の学費相場:入学金3万~30万円+授業料100万~300万円
個別指導
3人~1人の生徒を1人の講師が個別に指導する形式で、大勢の中では勉強に集中できない生徒向き。
導入している医学部予備校の例: メディカルラボ、代官山メディカル、メディカルフォレスト、レクサス教育センター(夜間個別指導)、アイメディカなど 
高卒生(浪人生)の学費相場:入学金20万~40万円+授業料300万~700万円
現役生(高3生)の学費相場:入学金3万~30万円+授業料100万~600万円

※授業料は教材費や講習費用、サポート料なども含めた学費総額で、受講コースによって異なります。

学費相場が高い理由

学費相場が高い理由
大手予備校の駿台の医学部コースは、浪人生の場合で入学金10万円+年間授業料76万~94万円(2022年度)で学費総額は約100万円です。

それに比較すると医学部予備校の学費は3倍以上も高くなりますが、学費が高い理由として、

① 少人数制のアットホームな環境で指導をするため
② 講師は実績豊富なプロばかりで人件費が高くなるため
③ 校舎は医学部予備校仕様の設計で費用がかっているため

の3点が挙げられます。それぞれについて詳しく見ていきましょう。

少人数制でアットホームな環境

受験生は試験当日に向けて健康管理も重要な課題です。ストレスの多い時期だけに体調だけでなく精神面でのケアが欠かせません。

医学部予備校は1クラスが多くても10人程度の小集団で、生徒一人ひとりに講師の目が届くアットホームな環境ですから、心身の不調を見逃さず、適切に対応してもらえるので安心です。

また、多くの医学部予備校にはチューター制度があり、その予備校の卒業生で現役医大生のチューターが後輩受験生のちょっとした質問や相談に応じています。

講師には聞きにくい学習以外のことでも気軽に相談できるので不安やストレス解消に役立っています。

講師は実績豊富なプロで人件費が高い

医学部予備校には大手予備校での指導経験が長く、合格実績も豊富なベテランが多く在籍しています。中には受験生のバイブルと言われる参考書を執筆した有名講師も。

いずれも医学部受験を知り尽くしたプロフェッショナルで、医学部入試に関するノウハウや最新情報を豊富に持っています。

質の高い講師が多いほど人件費がかさみ、それが授業料に反映されることになります。

学習施設が充実している

少人数制の授業が効率的に行われるように設計された教室、受験生がいつでも質問できる開放的な講師室、朝早くから22時ごろまでいつでも利用できる自習室、さらに地方出身者がすぐ勉強に取り組めるように必要な家電が完備した学生寮と、学習環境が整っているのも医学部予備校の特長です。

中でも自習室は学習効果を上げるために欠かせない重要なスペースです。

大手予備校の河合塾の場合は個別ブース型、オープン型、ラウンジ型などがあり、好きな自習室を選べるようになっています。

しかし、卒業生の口コミなどを見ると「どこも混んでいるので席取りに苦労した」といった声が少なくありません。

その点、医学部予備校の自習室はほとんどが個別ブースで、生徒の数だけ用意されているので席取りの必要はなく、好きな時間に自由に利用できます。

専用のロッカーを用意している医学部予備校もあります。受験生は教材や参考書、問題集のほかに細々した文具類など意外に持ち物が多いもの。

それらをいちいち持ち運ぶのは大変です。ロッカーがあれば自宅で使う必要のない物は校舎内に置いて帰ることができるので便利です。

費用の安い・高いで選ばないこと

費用の安い・高いで選ばないこと
「予備校選びが合否を分ける」といわれるように、医学部合格を勝ち取るためには慎重に予備校を探す必要があります。

入学金や授業料など費用面だけを比較して選ぶのは失敗のもと。費用が安いということは講師の質に問題があるとか、学習環境が整っていないことなどが考えられます。

高すぎるのは逆に講師や設備費にコストをかけすぎているのかもしれません。

予備校に通うのは医学部に合格することが目的ですから、重視すべきことは学費が高いか安いかではなく「合格実績」です。それも自分の志望校にどれくらいの合格実績があるかを確認することが第一です。

このとき注意しなければならないのは、「合格者数」と「合格率」を混同しないこと。たとえば、A医学予備校の合格者数は100人で、B医学予備校は50人だったとします。

受験者数がA医学予備校は200人でB医学予備校は70人だったとすれば、Aは200人中100人合格ですから合格率は50%。それに対して、B校は70人中50人合格ですから合格率は71%で、A校より高くなります。

このように、合格実績を判断基準の1つとする場合は、合格者の人数だけでなく合格率に着目するようにしましょう。

医学部予備校選びのもう1つのポイントは、予備校と自分の相性が合うかどうかを見ることです。自分の性格に合わないところでは勉強に打ち込むことができず、学費と時間を無駄にするだけです。

短期合格を果たすためには、体験授業に参加して、パンフレットやホームページではわからない校舎内の雰囲気などを自分の目で確認することが大切です。

体験授業では、講師の指導の仕方は自分の性格に合うかどうか、生徒のレベルはどの程度かなども観察して、「ここで自分も学びたい」と思える医学部予備校を選ぶようにしましょう。

授業形態別・人気医学部予備校の学費紹介

授業形態別・人気医学部予備校の学費紹介

集団授業のコース

医学部予備校名 入学金 授業料
医学部専門予備校野田クルゼ
(総合コース)
200,000円 2,057,500~2,980,600円
(年間)
医学部専門予備校メルリックス
(私立医学部コース)
330,000円 4,600,200円
(年間・月謝制)
医学部進学予備校メビオ 330,000円 4,620円
(1時間あたりの単価)
医学部専門予備校PMD
(国立コース)
330,000円 4,400,000円
(年間)
(私立コース) 330,000円 3,850,000円
(年間)
私立医学部専門予備校メデュカパス
(本科生)
200,000円 2,800,000円
(年間)

個別指導の場合

医学部予備校名 入学金 授業料
医学部予備校メディカルラボ 100,000円 4,950,000円(年間)※1
医学部予備校代官山メディカル
(本科生)
200,000円 2,200,000~5,700,000円
(年間)
医学部専門予備校
メディカルフォレスト
100,000円 2,220,000円~3,900,000円
(年間)
医学部予備校レクサス教育センター ~440,000円 非公開
医学部予備校アイメディカ 120,000円 6,000~24,000円
(1時間当たり)

※1:授業料の金額には個別カリキュラム管理費が含まれています。

まとめ

まとめ
医学部は2浪3浪が多いと言われますが、浪人を繰り返している人は学力不足というよりも受験に関する情報量不足が多いようです。

特に私立の場合は大学ごとに個性やカラーと言うべき出題傾向があり、それも毎年微妙に変化しています。

医学部予備校の授業料は確かに高額ですが、指導法や学習環境を見てみれば医学部予備校より大手予備校のほうが学費が安いとは一概には言えません。

多浪を避け、短期合格を目指すなら最新情報が集まりやすい医学部予備校に通うことを検討してみましょう。